本日の株式相場概況と無駄話

マーケットトーク




2016年2月3日 水曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17191.25 -559.43 -3.15
TOPIX 1406.27 -45.77 -3.15

米国株は、ダウ・ナスダックとも反落。原油との連動が弱まっていましたが、WTIが再び30ドルを割れたことで原油の底値に確信が持てなくなり、リスクオフの流れが強まった。

日経平均は続落。米国株安を受け17,500円割れで始まり、その後も売りが止まらず今年3番目の下げ幅となった。今週一杯ぐらいは揉み合ってくれると思っていましたが、あっけなくマイナス金利発表前の水準に戻る。自社株買いを発表した新日鉄住金やカシオが容赦なく叩き売られる現状を見ていると、ただ事ではないなと感じます。マイナス金利効果がこれですべてなくなったとは言いませんが、世界経済がここから一段と減速していくというシナリオで動いているのであれば、日銀がどうこうできる問題ではありません。それとは別にマイナス金利は金融理論が成立しない世界ですから、日本は資産バブルになる可能性もありますし、逆資産バブルになる可能性もあります。ボラティリティも必然的に大きくなるので注意しなければなりません。

金曜日にも書きましたが、今年最大のテールリスクは人民元の切り下げだと思っています。既に懸念がある以上、テールリスクとは言えないのかも知れませんが、もしあればマイナス金利など幾ら拡大しても一瞬で吹っ飛んでしまいます。その時の底値は16,000円や15,000円などと言うレベルではないでしょう。悲観的なシナリオですが、そのぐらい考えておいてちょうど良いと思います。

本日の取引:2勝 +5,300円
持ち越し:300株



2016年2月2日 火曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17750.68 -114.55 -0.64
TOPIX 1452.04 -10.63 -0.73

米国株は、ダウは反落、ナスダックは続伸。中国不安や原油安を受け、ダウは一時三桁の下落となったが、フィッシャーFRB副議長のハト派的なコメントが伝わると買い戻しが入り下げ渋った。

日経平均は反落。米国株は小動きだったが、2日間で823円急伸していることや、為替の動きも悪いことから利益確定売りが優勢になった。ただ、ショートカバーは続いていますし、買いそびれたと思っている人の買いも下値を支えており、急騰した後のセオリー通りの動きって感じですね。2014年のQE2の後も5日間は揉み合いになったので、その後どちらにブレイクするかが重要です。FOMC後に原油との連動が薄まったのはよいのですが、逆に分かりづらくなった面もありますし、まだ全然楽観できるような状況ではありません。指数は小動きですが、個別の決算プレーは激しさを増しており、決算をまたぐ持ち越しは注意が必要ですね。

本日の取引:なし
持ち越し:なし



2016年2月1日 月曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17865.23 +346.93 +1.98
TOPIX 1462.67 +30.60 +2.14

週末の米国株は、ダウ・ナスダックとも上昇。日銀がマイナス金利の導入を決定したことで、ショート・ポジションが巻き戻され大幅高となった。

日経平均は続伸。マイナス金利導入後、欧州→米国とリスクオフの巻き戻しが続き、本日も順調に続伸となった。日経平均はQE2のときが2日間合計で+7.56%の上昇、そして今回が2日間で+4.78 %の上昇。銀行株の急落が指数の足を引っ張っていますが、今のところ可もなく不可もなくって感じですね。今週はショートの巻き戻しが優勢でしょうから、本当の評価は来週になってから。別にこんなところで焦る必要もありません。

株主還元策(自社株買い)なども多く出ていますが、株主にしてみればリターンの低い投資にキャッシュが使われるぐらいなら、せっせっと自社株買いでもしてくれた方が有り難いですが、政府や日銀の期待とは矛盾しますよね。ちなみに自社株買いは、リーマンショック以降綺麗な右肩上がりで、昨年は10兆円を超え今年は更に増える見通しです。ようするに株価が高くなっても自社株買いしか選択肢がない(企業が資金を必要としていない)なかで、マイナス金利にしても意味はないという話です。以前、日本ハムだったかどこだったか忘れましたが、借金して自社株買いした会社がありました。結局、設備投資や人材などにカネは回らず、そういう会社が今後どんどん増えてくるんじゃないでしょうか。それがマイナス金利の一番有効的な使い方になったら、黒田総裁はどんな顔をするんでしょうね。

本日の取引:1社 2勝 +10,000円
持ち越し:なし



2016年1月29日 金曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17518.3 +476.85 +2.80
TOPIX 1432.07 +39.97 +2.87

日経平均は反発。日銀は動かないとの見方が多数派でしたが、個人的にはこのページでもツイッターでもマイナス金利の導入を含め追加緩和を予想していたので、それほど驚きはありませんでしたが、マーケットにはかなりの衝撃になったようです。先物は一瞬で17,850円まで上がって、その後16,740円まで暴落し、そしてまた戻すという乱高下となった。12月と同じパターンと見て、下がったところでショートを振った人が踏み上げられたというのもあるでしょう。先物の日中値幅は今年最大の1,110円、東証1部の売買代金はSQでもないのに4兆円を超える異例ずくめの1日でした。

マイナス金利については、経済学者や市場関係者がいろいろ解説するでしょうから、おいておきますが、マイナス金利は黒田総裁が有り得ないと再三否定してきたものであり、日銀の説明が急変すれば市場との対話が今後機能しなくなるという弊害もあるでしょう。

私は2014年に騙し討みたいな追加緩和をやった時点で、黒田氏のいうことは一切信用していないので、今回のマイナス金利もこの人なら恥も外聞もなくやるだろうと思っていました。まあ、マイナス金利を導入したからといって企業が今後どんどん設備投資を増やすものでもななく、マイナス金利を導入しているECBもすでに限界論を言っているぐらいですから、実体経済の押し上げ効果は甚だ疑問ですし、金融機関の運用利回りを押し下げるなどの副作用もあります。ただ一つ言えることは、日銀が意図しようが意図しまいが、為替は当面円安要因となるので、円安が続くうちは株価にはポジティブです。ただ、現在一番問題な中国経済、とりわけ人民元には日本のマイナス金利は大きなストレスとなります。ダボスで中国は資本規制しろなどと言ったのも、元の切り下げなどで自分の追加緩和を台無しにされたくないというところからの発言でしょう。

本日の取引:2社 2勝 +36,000円
持ち越し:なし




2016年1月28日 木曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17041.45 -122.47 -0.71
TOPIX 1392.1 -8.60 -0.61

米国株は、ダウ・ナスダックとも反落。声明文そのものは予想通り十分ハト派的だったが、3月の利上げについて、停止もしくは消極的な文言が声明文に入らなかったことがお気に召さなかったようで、原油が上がっているにも関わらず株は売りが優勢になった。

日経平均は反落。米国株安を受け売り先行で始まり、一時200円を越える下げ幅となったが、為替が昨日より円安で推移したことや、明日の決定会合に向けショートカバーも入りプラスに転換する場面もあった。ただ、買い戻しは続かず大引けでは再び3桁の下落となる。出てくる決算も悪いものが多く、アルプス電気の売られ方などを見ていると、これから決算を迎える関連銘柄もちょっと怖くて手がでません。一方で日立化成などは13.3%急伸ですから、決算プレーもボラが拡大しています。

あれだけ原油と連動していた株価ですが、FOMC後に相関が崩れました。私の推測ですが、足の長い年金などのロングオンリーのファンドからの売りがCTAなどのアンワインドを吸収してしまった感じです。勿論、良いことではありません。これだけハト派的な声明文でも納得しないと言うのは、中央銀行依存から抜け出せていないという証左でしょう。アメリカの利上げが早すぎたという意見もありますが、私に言わせれば遅すぎいいところで、結局モタモタしているうちに景気のピークでやってしまいました。アメリカはまだ金融政策を調整する余地がありますが、日欧は恐らく次が最後の緩和でしょうから、このまま世界経済がリセッションに入ると打てる手は本当に限られてきます。さて、明日の決定会合ですが、今までさんざん書いてきたので特にいうことはありません。楽しみましょう。

本日の取引:買いのみ
持ち越し:1社 1,000株



2016年1月27日 水曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17163.92 +455.02 +2.72
TOPIX 1400.7 +40.47 +2.98

米国株は、ダウ・ナスダックとも反発。OPEC加盟国と非加盟国が減産に合意する可能性があるとの報道を受け原油先物価格が上昇し、買い戻しが優勢になった。

日経平均は反発。昨夜のナイトセッションで16,530円の安値をつけた後、原油価格が持ち直したことで急反発に転じ、そこから欧州→米国と株高が続き、大幅にギャップアップしての始まりとなった。本日はトヨタやソフトバンクなど個別に好材料もありましたが、基本的にマーケットにボラを供給しているのは原油です。CTAによる原油先物と株先のアルゴリズムトレードと言ってしまえばそれまでですが、ここまで連動性が高まったのは見たことがありません。ザラ場も殆ど原油と同じ動きで、原油さえ見ていれば日経平均の上下が分かるという状態です。CTAがいかに原油と絡めたプログラムを走らせているのか一目瞭然。

一方、為替市場は118円ミドルを中心に動かなくなり、冷静にFOMCや日銀決定会合を待っている状態です。FOMC声明がハト派的なものになるのは聞かなくても分かっていますが、為替が動かず118円台だと最後のカードを切るには円安過ぎますかね。ブルームバーグがエコノミスト42人を対象に行った調査では、今週の決定会合で追加緩和を予想したのは6人(14%)と少数派になっています。為替の118円がネックになると思いますが、2月は決定会合がないので、個人的にはやってくる可能性は50%より高いと考えています。

本日の取引:日経ミニ 1勝 +16,000円
持ち越し:なし



2016年1月26日 火曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 16708.9 -402.01 -2.35
TOPIX 1360.23 -32.40 -2

米国株は、ダウ・ナスダックとも反落。サウジアラビアが設備投資継続を表明したことで、原油先物が再び急落し株売りの流れとなった。

日経平均は反落。CMEの清算値にサヤ寄せする形で大きくギャップダウンした後は、殆ど動きがなく、東証1部の売買代金も2兆1千億円と非常に低調だった。今日の下げは原油と株先とのアルゴリズムトレードが主要因ですが、裏には中国の問題があるわけで、中国当局が小手先で通貨や株価を支えたりしているうちはアク抜けはしないでしょうね。世界的に大混乱になっても、いっそ人民元を大きく切り下げてくれた方がすっきりします。

中国は資本流出を懸念しながらも、結局「背に腹はかえられない」状況に追い込まれ、いずれ元を大きく切り下げてくる確率が高いと考えています。日銀としては人民元が切り下げられた後の混乱に最後の緩和カードを残しておきたいところですが、そんなことを言っていたら状況はどんどん悪くなる一方ですし、元の切り下げが一回で済む保障もありません。21日に書いた理由から、私は追加緩和をやるなら今週やってしまった方がよいと考えますが、果たしてどうなるか。

本日の取引:なし
持ち越し:なし



2016年1月25日 月曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 17110.91 +152.38 +0.90
TOPIX 1392.63 +18.44 +1.34

週末の米国株は、ダウ・ナスダックとも続伸。ECB・日銀の追加緩和観測や原油高を好感し終日買いが優勢だった。

日経平均は続伸。欧米株高を好感し買い先行で始まったが、一時はマイナスに転じるなど上値は重かった印象。ドル円が118円後半まで戻り、週末に追加緩和期待が高まっていることを考慮すると、もう少しショートカバーが入ってもよさそうなもの。まあ、震源地の中国が何も変わっていないわけですから、こんなもんかなぁという感じもしますが。ここから下がっていけば、日銀のQE3に賭けて買いもありでしょうが、上がっていけば日銀に梯子を外されるリスクもあるので、素早く動けない人は様子見が無難だと思いますね。

本日の取引:1社 1勝 +5,000円
持ち越し:なし



2016年1月22日 金曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 16958.53 +941.27 +5.88
TOPIX 1374.19 +72.70 +5.59

米国株は、ダウ・ナスダックとも上昇。朝方は不安定な動きだったが、ECBの追加緩和示唆や原油の反発を受け次第に買いが優勢になった。

日経平均は大幅に反発。ECBによる追加緩和示唆で前日の欧米株が買われた流れを受け、大きくギャップアップして始まり、前場はその水準で揉み合っていたが、後場になると買い戻しが一段と加速し900円を超える急騰となった。ボラが高く面白い相場ですが、ポジションサイジングを間違えると買いでも売りでも危険です。去年の9月9日も「マーケットトーク(2015年9月3日~9月18日)」1日で1,343円暴騰し、その後二番底をとりに行ったので、まだ油断は禁物です。

そりゃ売っている方も莫迦ではないので、追加緩和が予定されているのにどんどん売り込むわけにはいきませんから、当然のショートカバーでしょう。ただここからの読みは難しくなります。ここから更に1000円ぐらい戻すと、実施してもどのくらい効果がでるのかは微妙になってきますし、見送りになれば再び急落は避けられません。黒田氏は本音ではまだ弾を使いたくないでしょうからね。来週の決定会合までまだ4営業日残されているので思惑が入れ乱れ、ボラタイルな動きが続きそうです。

本日の取引:2社 3勝 +26,000円
持ち越し:なし




2016年1月21日 木曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 16017.26 -398.93 -2.43
TOPIX 1301.49 -37.48 -2.80

米国株は、ダウは反落、ナスダックは続落。中国経済の減速や止まらない原油安を嫌気し、ダウは565ドルまで下げ幅を拡大する場面があったが、午後になるとナスダックを中心に買い戻しが優勢になった。

日経平均は続落。米国株が300ドルほど下げ渋ったことや、夜間取引ですが16,000円を割ったことで達成感が出て先物は16,780円まで買い戻されたが、後場になると一転売りが優勢となり大幅安で引ける。松井証券の信用評価損の推移を見ると、昨日あたりから少し投げが出てきたように感じますが、まだ値段を見ながら売っている感じで切迫感はありません。これだけ下がったのでリーマン・ショックとの比較がされていますが、あの時はカウンターパーティーが信用できず、考える暇もなく一瞬でマーケットがクラッシュしたので、今回の下げとはまったく異なります。

安倍総理の側近からでた「追加緩和の条件を満たす・円高は絶対とめなければならない」などの発言が円安に寄与しました。そりゃ円安だけで上がってきた経済(相場)ですから、円高だけで元の木阿弥に戻ってしまうのは自明の理なので、焦るのは当然でしょう。

来週の決定会合での追加緩和の有無が拮抗しています。個人的には現時点で50%より高まったと思いますが、恐らく最後の弾なので難しい判断になりそうです。ただ、有り派、無し派が割れている今だからこそ、まだやれば一時的にせよ効果があると思います。これがとことん追い込まれてからの緩和になると、その前に市場が完全に織り込んでしまうので、白川総裁時代のようになんの効果もなくなってしまうだけでなく、逆に出尽くしで売られるなんて最悪の事態も考えられます。

本日の取引:1社 1勝 +9,000円
持ち越し:2社 1,500株



2016年1月20日 水曜日
指標 終値 前日比 騰落率
日経平均 16416.19 -632.18 -3.71
TOPIX 1338.97 -51.44 -3.70

日経平均は反落。米国株はずっこけないまでも、昨夕の段階では少なくとも200~300ドル高を期待して日経先物も動いていたので、ダウが27ドル高、ナスダックが続落では失望感の方が強かった。そのようなこともあり、CMEの清算値にサヤ寄せした後も売りは止まらず、原油先物が1バレル28ドルを下回ると売りが加速し、節目の16,500円を割り込む厳しい展開となった。

今後の展開としては、勢いのままヘッジファンドが16,000円割れを仕掛けてくるのか否か。そこまで行けば来週の決定会合に向け追加緩和期待が高まり、ショートカバーもそれなりに入るでしょうから、一時的に戻す可能性があります。内容にもよりますが、追加緩和が実施されれば1,500円~2,000円ぐらいは戻るでしょうし、見送りになれば再び売り込まれます。機関投資家は、ここまで前提数字が狂うと決算が出揃うまでは動けないでしょうから、得意の官製相場でどこまで下値を支えられるか。しかし今日などここまで下げる理由はないのですが、官製相場で不自然なことをやってきたツケが回ってきている観もあります。今後QE3が実施されればETFの増額がメインになるんでしょうが、そうなるとETF市場の7~8割を日銀が保有することになります。こんな愚かなことをやっている中央銀行なく、ますます深みに嵌っていきます。

2016年を見渡せばリスクの海。常にリスクに目を光らせていなければ、リスクに付け込まれます。

本日の取引:買いのみ
持ち越し:1社 1,000株