改革(改悪)前夜・行き場を無くしたマネー

今週の独り言


改革(改悪)前夜 2002年10月5日

予想外の柳沢氏更迭、竹中ハードランディング路線に舵を切った小泉内閣、日本は非常に際どい道を選択しようとしています。一歩間違えば、ここ数ヶ月で壊滅的な崩壊をするでしょう。日々のトークで、申しておりますように、バブル崩壊直後の数年間ならともかく、こんな末期で一番体力も・気力も無い時に、強引な外科手術をすれば、どうなるかは子供でも分かる理論です。おそらく年を越せない中小企業が続出するでしょう。上場企業も例外ではありません。

小泉内閣は、不良債権が諸悪の根源で、これさえ取り除けば、すべて旨くいくと考えているようですが、とんでもない間違えです。私が一番腹が立つのは、自分たちの時代認識を錯誤した緊縮財政により、デフレを加速させそのあげく、不良債券が成長を阻んでいるなどと、馬鹿なことを言い出し、自分たちの政策ミスを全部不良債権のせいにすり替え、誤魔化そうとしている点です。このような視点のすり替え誤魔化しに掛けては、小泉氏は本当に天才的な人物です。

小泉氏が首相になり、東証の時価総額を140兆も飛ばし、正常債権も不良債権に自ら変えておきながら、この言い草はないのでは? 盗人猛々しいとはまさにこのことです。

いま一番問題なのは、手術をする際の麻酔ですが、不良債権処理ばかりが先走り、まともに議論されていない現状は、非常に怖いものを感じます。また今日の段階では、まだ国債30兆枠にこだわっていますし、証券税制や土地税制を真剣にやろうとする姿勢も全く見られません。本日の日本経済新聞で、配当課税の軽減が出ていましたが、馬鹿らしくて、ここで書く気も起こりません。こんなもので、茶を濁して、終わりにするつもりなのでしょうか?

いま日本国民は、アメリカ かぶれの藪医者の手により、強引に手術台にあげられようとしています。私もこんな下がっている時に、悲観論は言いたくないのですが、どう考えてもおかしな方向に物事が進みはじめているような気がします。来週は私も舵を切るかも知れません。




国が官僚と学者に食い潰される 2002年9月28日

どうも、内閣の改造は小幅に留まる公算が高くなりました。残念なことです。発足時からNATO内閣(ノー・アクション・トーク・オンリー)と言われ、提案部隊はいるが、実行部隊がいない、この内閣では、今後もたいしたことは、期待出来そうにありません。内閣支持率と、株価が逆相関関係になることは、ほんらい珍しいことで、それだけマーケットがNATO内閣を嫌っていることの現われだと思います。


政府税制調査会(会長・石弘光一橋大学学長)来年1月から実施する新証券税制について与党や証券業界から大幅な見直しを求める声が高まっていることについて、源泉分離課税に執着する声や株式譲渡益を1000万円まで非課税にするなどといった先祖返りのような話には耳を傾けるべきではないと述べています。反対する人の意見も聞く必要がないと言う、この独裁者ぶりには、さすがに私も怒りを通り
越し、呆れてしまいます。

また財務省の武藤敏郎事務次官は早くも土地税制緩和に反対コメントを出しています。竹中氏もそうですが、どうも学者や官僚というのは、ナルシストで、排他的な人が多いように感じてしまいます。

古代ローマ時代から、官が栄えれば、民=国が滅ぶという普遍の原則があります。日本も学者や・官僚にイニシアチブを取られていると、いずれ彼等に食い潰されるのではないかと心配です。



行き場を無くしたマネー 2002年9月21日

朝晩、寒いくらいになってきましたね。今日は十五夜です。

そもそも、十五夜の行事は中国ではじまり、平安時代に日本に伝わり宮廷の月見の席では、月の詩や歌を作り、雅楽を奏でていました。江戸時代になると、多くの人々の間にも月見が広まり、だんごや枝豆、里芋、栗、柿、すすきなどを供えるようになったと言われています。十五夜は「仲秋の名月」または「いも名月」といわれ、主に里芋を供えて食べていたそうです。今日は天気が良さそうなので、良い月が見られそうですね。

最近のニュースなので、覚えている人もいると思いますが、東京都が9月4日、初めて個人向けの都債を販売したところ、200億円分がなんと1時間で完売してしまいました。発行条件は3年満期で、利率は年0.12%、都銀の3年定期預金(年0・07%)よりも高いし、東京都が発行したという安心感もあって人気になったのでしょうが、こんなものが1時間あまりで売切れてしまう現状に、異常さを感じるのは私だけでしょうか?

1200兆円ともいえる個人金融資産、これをどう眠りから覚ますことが出来るかを、政府はまず考えるべきでは無いでしょうか、その為にはなんと言っても税制です。「証券・不動産税の大幅な緩和」なぜこれをやらないのか、不思議でなりません。現在、株の税収など5000億にも満たないと思いますが、これがそんなに欲しい
のでしょうか?本当に不思議な人達です。1200兆円のうち1%(12兆)でも市場に向かえば、なにも日銀が株を買う必要など有りませんよね。