PBR(株価純資産倍率)の見方
PBR(Price Book-value Ratio)プライス・ブック・レシオとは、株価を1株当たり純資産で割ったもので、株価が割安か割高かを見る指標です。
純資産というのは、企業の総資産から負債を引いたもので、その企業に残る資産の価値をいいます。これを株主資本ともいう。つまりPBRが1倍を割っている会社が解散した場合、負債を全部返済しても、株主にお金が戻ってくることになります。
むかし東証2部の立川という繊維商社が上場廃止になったとき、株価は130円でしたが、解散したあと株主には202円分配されたケースがあります。この会社は創業が明治38年と古い会社で、土地など不動産の含み益がかなりあったようです。
計算式
1株当たり純資産(BPS)とは、株主資本を発行済み株式数で割ったもの。BPS=株主資本÷発行済株式総数で計算します。
例えば、1株当たりの純資産額(BPS)が500円で株価が1,000円の場合、1,000÷500でPBRは2倍ということです。
ポイント
・PBRは低いほど割安である。1倍を割った場合は、株価が解散価値を下回っていることになる。
・PBRは低いほど割安と言いましたが、逆の見方をすればPBRが高いほど市場がその会社のブランド力や成長性を高く評価しているとも言えます。なかには成長性はないが、高配当や株主優待などでPBRが高い会社もあります。
・PBR1倍割れ銘柄を買えば安心なのかと言えば、そんなことはありません。PBRはPERほど大きくは変動しませんが、不変ではありません。赤字が続けば資産売却などで穴埋めする企業も出てきますし、不況やデフレ下で企業が保有する資産が減少すればPBRは上昇して行きます。
・PBRが低い銘柄は、将来性を見込まれていない会社という見方もできます。つまり、今後競争に負け企業価値が減少して行くことを市場が織り込んでいるとも言えます。
・著名投資家のジム・ロジャース氏は、「株式市場には割安な銘柄は沢山ある。しかし、割安株を買ったとしても、株価が上がるとは限らない。株価が安い理由を調べることが大切だ」と言っています。
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