PCFR(株価キャッシュフロー倍率)とは

PCFR(株価キャッシュフロー倍率)の見方


PCFR(株価キャッシュフロー倍率)とは、当期純利益に減価償却費を足し戻したもので、企業の成長性を見る指標です。数字が小さいほど割安です。

PCFRのキーワードは減価償却費です。最初にこれを説明しないと意味が分からないので、ちょっと我慢して下さい。設備投資した機械などは、一度に費用として計上するのではなく、機械の劣化に合わせて数年に渡り償却していくものです。これを減価償却費といいます。減価償却するということは、機械などの固定資産を事業で使い、価値が年々減っていく分を会計上処理するということです。直接現金のやりとりはありません。



計算式
PCFR=株価/1株当たりキャッシュフロー
一株当たりキャッシュフロー=(当期純利益+減価償却費)÷発行済株式数
PCFRは成長性を重視
例えば、発行済株式数が2億株、利益も同じ100億円というA社・B社があるとします。A社はガンガン設備投資をする会社で、B社はあまり設備投資をしません。
PCFR(株価キャッシュフロー倍率):企業の設備投資イメージ
A社の減価償却費は200億円、B社の減価償却費は20億円です。単純にどちらが凄いと思いますか? A社は設備投資をガンガンして、200億円も減価償却をした上で100億円という利益を残したわけですから、A社の方が勢いがありそうです。(減価償却費は、実際の資金支出を伴わない会計上の見なし費用なので、資金が会社内部に留保され次の設備投資への原資にもなる)

PCFR(株価キャッシュフロー倍率)は、PER(株価収益率)と似ていますが、減価償却費を取り込んでいるので、PERよりも成長性をより重視しているのです。

例えば、A社・B社の株価が1,500円で1株当たり利益が30円だったとします

PERは1500÷30で両社ともに50倍です。これでは比較できませんね。

では、これをPCFR(株価キャッシュフロー倍率)で見てみましょう。

A社の1株当たりキャッシュフロー=(100億円+200億円)÷2億株=150
PCFR=1500÷150=10倍

B社の1株当たりキャッシュフロー=(100億円+20億円)÷2億株=60
PCFR=1500÷60=25倍

A社の方が割安ということになります。



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