インタレストカバレッジの見方
インタレスト・カバレッジ・レシオ(Interest coverage ratio)とは、企業の借入金の利息の支払い能力を財務面から測る指標です。
私たちも他人に大金を貸す時は、本当にその人がお金を返す能力があるのかどうかを考えます。企業の場合は、信用度に応じて金利も変わりますし、発行する社債の格付けにも影響します。その時にインタレストカバレッジが一つの目安となります。インタレストカバレッジの数値が高い企業ほど金利負担能力が高く安全といえます。
計算式
計算式はEBIT(事業利益)÷支払利息
EBITの算出は、営業利益に受取利息・配当を足し戻します。
ポイント
・インタレストカバレッジが1倍を割っている場合は、本業の稼ぎで金利負担さえ賄えなかったことを意味します。
・基本的にインタレストカバレッジが1倍に近い、または1倍を下回るようだと危険です。特にインタレストカバレッジが小さく、短期借入金が増えている会社は、銀行が危険とみなして長期ではカネを貸さなくなっている可能性があります。
・インタレストカバレッジの目安としては、10倍前後あれば問題はないでしょう。
・2010年3月のインタレストカバレッジを見ると、借入金の多い電力会社の平均が1.42倍と低く、借入金の少ない医薬品は高い数字になっています。私が調べたところ、東証の平均はおよそ40倍~50倍くらいでした。
コード | 銘柄 | インタレストカバレッジ | コード | 銘柄 | インタレストカバレッジ |
---|---|---|---|---|---|
9501 | 東京電力 | 0.68倍 | 4151 | 協和発酵キリン | 122.1倍 |
9502 | 中部電力 | 2.46倍 | 4502 | 武田薬品工業 | 199.28倍 |
9503 | 関西電力 | 0.76倍 | 4503 | アステラス製薬 | 1759.51倍 |
9504 | 中国電力 | 0.63倍 | 4506 | 大日本住友製 | 352.51倍 |
9505 | 北陸電力 | 1.69倍 | 4507 | 塩野義製薬 | 49.07倍 |
9506 | 東北電力 | 0.04倍 | 4508 | 田辺三菱製薬 | 859.54倍 |
9507 | 四国電力 | 5.1倍 | 4514 | あすか製薬 | 52.13倍 |
9508 | 九州電力 | 2.53倍 | 4516 | 日本新薬 | 572.71倍 |
9509 | 北海道電力 | -1.11倍 | 4519 | 中外製薬 | 4167.4倍 |
・上記のようにインタレストカバレッジは業種間の差が非常に大きいので、比較する場合は同業種で行うとか、その会社の過去のインタレストカバレッジと比較するとかの工夫が必要です。
財務分析TOPに戻る