キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書の見方


キャッシュフロー計算書とは、文字通り「お金の流れ」を表しています。上場企業には、貸借対照表、損益計算書と並んで、キャッシュフロー計算書の提出が2000年以降義務付けられています。



キャッシュフロー計算書が注目されるわけ
損益計算書は、発生主義に基ずく会計なので、どうしても作成した人の主観や見積もり的要素が入ってしまいます。そこで利益を膨らませたり、逆に利益を圧縮したりといった操作が可能となるのです。もっとハッキリ言えば、損益計算書の利益は会社側の主張に過ぎないということです。対してキャッシュフロー計算書は純粋な現金の流れなので、恣意的要素が小さく、注目する人が増えているのです。

実際のキャッシュフロー計算書
営業キャッシュフロー
3つの中で一番重要なのが営業キャッシュフローです。これは営業活動により流入したキャッシュ(現金として実際に回収した売上)と流出したキャッシュ(材料費や人件費)を計算して、本業で最終的にどれだけのキャッシュが残ったかを表しています。

営業キャッシュフローが多いほど利益を上げている企業です。数値がマイナスの場合は、本業が赤字ということです。健全に成長している会社は、利益の成長とともにキャッシュも増えて行きます。この数字が順調に伸びていれば理想です。損益計算書で最終的に利益が計上されていても、営業キャッシュフローがマイナスの会社は内容をよく調べた方がいいでしょう。

営業キャッシュフローと貸借対照表と比較すれば、どれだけの運転資金でキャッシュを稼いでいるのかも見ることができます。例えば同じ1億円の営業キャッシュを得ていても、運転資金が10億円と100億円の会社とでは、効率性・収益力が違うということです。これも損益計算書を見ているだけでは分からないことです。



投資キャッシュフロー
資産の売却や取得によるキャッシュの動きを表しています。企業は設備投資をするので、投資キャッシュフローは通常マイナスになります。プラスの場合は資産を売却していることが考えられます。ここで注意していただきたのは、何にお金を投資したのかを把握することです。本業がジリ貧で設備投資をしても無駄ということで、M&Aにお金を使った場合などがあるからです。一概には言えませんが、本業が好調で自社に投資している会社の方が魅力があるとも言えます。投資キャッシュフローは、営業キャッシュフローの範囲内でまかなうのが理想とえいます。



財務キャッシュフロー
借金を返済したり、自社株買いをすると、財務キャッシュフローはマイナスになります。逆に銀行から新たに資金を借り入れたり、株を発行して株主から資金を集めるとプラスになります。ここも数値がマイナスの方が安定しているといえます。



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