当座比率とは

当座比率の見方




当座比率とは、財務の安全性をみるための指標です。

流動比率は、1年以内に支払う借金と1年以内に現金化できる資産の比較で安全性を見る指標でした。しかし、流動比率には問題点もあります。

流動比率が200%を超えていても流動資産のほとんどが、*棚卸資産(商品)だったらどうでしょう? その商品が予定通り売れればいいですが、もし売れなければ、その企業はたちまち借金の支払いが出来なくなってしまいます。*棚卸資産とは、材料、仕掛品、製品、あるいは商品などの在庫のこと。

そこで当座比率は、流動資産から棚卸資産(商品)を除外して現金化の早い当座資産だけで支払い能力を見ます。

計算式
当座比率(%)当座資産÷流動負債×100
当座資産とは、現金預金+受取手形及び売掛金+有価証券
流動比率よりも厳しい酸性試験比率
当座比率は流動比率と似ていますが、会社の支払い能力をより厳しく(酸っぱく)テストしたものなのです。別名「酸性試験比率」とも言われています。これで流動比率よりも、より確実に安全性を測れますね。
当座比率は棚卸資産を除外

現金預金  受取手形及び売掛金  有価証券 流動負債

当座比率 %  判定:この会社の当座比率はです



ポイント
・当座比率は100%以上が望ましい。

・流動比率が100%未満の会社でも、棚卸資産(商品)が少なく、当座比率が90%以上の会社であれば、比較的安全といえます。

・完璧に見える当座比率ですが、実はこれにも問題点はあります。売掛金(商品を売って将来お金を受け取る権利)の中に不良債権(代金が回収不能)が含まれている可能性があるからです。実際問題として、投資家がここまでチェックするのは難しいですが、例えば、業界の景気が悪く、同業他社が貸倒引当金を多く計上しているのに、対象の会社が計上していない場合は、当座比率を割り引いて見る必要があります。

・当座比率をもっと厳しくすると現金比率になります。これは現金預金÷流動負債で計算します。分子が現金預金だけですから、さすがにこれで100%を超える会社は稀です。このような会社は財務面に限れば、超がつくくらい安全ですが、カネを沢山持っていても、それを有効に活用できていない会社という評価にもなり、成長性という面では逆に不安になります。

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