本日の株式相場概況と無駄話

マーケットトーク




2011年8月8日 日経平均株価9,097.56(-202.32)
週末の米国株は、雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回ったものの、欧州財政不安や、S&Pによる米国債格下げの情報などから乱高下した。ダウは60.93P高、ナスダックは23.98P安。

東京市場は、米国債格下げを先進国で最初に受けるマーケットとなったが、ある程度は織り込まれていたのでパニック売りとはならなかった。そのかわり冷静に売られたという感じ。G7の緊急声明に関しては、心理的効果は多少あったかも知れないが、それ以上のものはなし。

リーマン・ショックの時は、世界的な協調のもとで、財政出動、金融緩和が実施されましたが、今回は各国の事情がまったく異なり、それができませんから、難しいものがありますね。その中で日本は、東日本大震災による巨額の財政出動がかかるので、他国をアウトパフォームする可能性があります。ただ、それを大増税で相殺してしまっては意味がありません。円高もここまできたら、M&Aなどで最大限利用してやるしかありませんね。これ以上ドル安が進めば、日本から協調介入など求めなくても、アメリカの方が先に音を上げるんじゃないでしょうか。

本日の取引:1社 +4,000円
持ち越し:3社 買い8600株 



2011年8月5日 日経平均株価9,299.88(-359.30)
米国株は、なぜか暴落に近い形で戻ってくる。トリシェ総裁がユーロ圏景気の先行きに警戒感を示したことで、イタリアやスペインの債務問題が蒸し返されたのはネガティブでしたが、米国は特に悪材料が発表されたわけではありません。しかし、漠然とした先行き不安や雇用統計を前に、売りが売りを呼んだ形。冒頭になぜを付けたのは、こんな形での急落はあまり見たことがないからです。

東京市場は、米国株の急落を受け全面安の展開。昨日書いたように、円売り介入がなんらかのトリガーを引いた可能性は否定できませんが、ここまで急落するとは驚きました。ファンド規制の影響もあり、どの市場も流動性が低くなっていますから、僅かな変数が変わると思いもよらぬところに大きな歪が生じる、カオス的なマーケットになっているのではないか。

今晩の雇用統計が恐ろしいですが、もうここまでくると数字そのものより、当局がなんらかのアクションを起こしてくるのかに焦点が移ってくる。ただ、アメリカは大規模な景気対策(財政出動)ができませんから、やるなら金融政策しかありません。しかし、更にドルを毀損するQE3が出来るかと言えば、それも難しいところ。欧米が緊縮財政をやり、新興国はインフレで金融引き締め、日本は電力不足と円高と政治不在・・・ 乗り越えられなかった危機はないといいますが、危機が起きる度にそのグレードもアップしているように感じます。

本日の取引:2社 2勝 +13,700円
持ち越し:2社 買い8400株 



2011年8月4日 日経平均株価9,659.18(+22.04)
米国株は小幅に反発。ISM非製造業指数が予想を下回ったことで、ダウは一時166ドル下げる場面もあったが、QE3への期待感から切り返した。

東京市場は反発。本日は国内から大きな材料が2つ出ました。一つは日立と三菱重工の統合。2つ目は円売り介入です。日立と三菱という組み合わせは驚きましたが、市場の反応は今一つでした。まず地合いが悪いですし、新日鉄と住金の時が寄り天となり、その後は鳴かず飛ばずですから、それも影響したんでしょう。円高や震災など日本企業を取り巻く環境は厳しくなっています。そんな中、国内で非効率な経営のもと競争をやっていても将来性はないので、大型統合はグローバル展開を加速する上で良いことだと思います。今後も業種を問わず合併やTOB、親子上場の見直しなどが増えていくのではないか。

日経平均は上値が重く、ほぼ介入が実施される前の水準に押し戻されて大引け。TOPIXに至ってはマイナスで引けるなど、売り圧力が非常に強かった印象。国内的には良いニュースが多かったが、株が上がらなかった可能性の一つとして、介入で大幅な円安になったことでドル建でみた日本株は本日急落ですから、外国人投資家が機械的に売りを出したとも考えられる。

本日の取引:3社 3勝1敗 +11,000円
持ち越し:3社 買い8700株 



2011年8月3日 日経平均株価9,637.14(-207.45)
米国株は、個人消費支出の予想外の減少を嫌気し大幅に続落。ダウの8日続落は、2008年9月のリーマン・ショック後に記録した10月1日から10日にかけての続落以来。これで直近8日間のダウの下げ幅は858ドルに達し、チャートは節目の200日移動平均を下回った。

東京市場は、米国株の急落を受け大幅に続落。多くの評論家は、米景気は震災等の影響を受けた一時的なソフトパッチであり、年後半から回復というシナリオでした。しかし、相次ぐマクロ指標の悪化で、どうも非現実的な期待になりつつあります。それにしても、債務問題という大きな山を越えたら、崖が待っていたという感じですね。こうなると週末の米雇用統計が気になるところですが、直近大きく下げたので、多少悪い数字でも、いったんは出尽くしとなり、テクニカルリバウンドが入ってもおかしくはないでしょう。

昨日は日銀のETFが入っていましたが、恐らく本日も入っていたんでしょう。為替は引き続き介入警戒感から77円前半で膠着感の強い動きだった。

本日の取引:買いのみ
持ち越し:3社 買い8700株 売り500株



2011年8月2日 日経平均株価9,844.59(-120.42)
米国株は、債務引き上げ合意を受け大幅反発で始まるも、ISM製造業景気指数でズッコケて
続落。引けでは下げ渋ったものの、米国の景気減速が懸念から現実になりつつある。

東京市場は、米株の急反発を織り込んで昨日は上昇していたので、前日の上昇をほぼ帳消しとする下げとなった。しかし、ザラ場のボラは相変わらず低いですね。為替はNYタイムで再び76円台に急伸したものの、さすがに介入警戒感もあり、東京タイムは膠着感の強い展開となった。

日銀の金融緩和や為替介入も結構ですが、一方で増税という矛盾したことを進めようとしているわけですから、どうせ今回もたいしたことは出来ないと見透かされていますね。その一方でヘリコプター・ベンがドル札をばら蒔いていれば、円高になるのは当然でしょう。為替も所詮相場ですから、どこまで円高が続くかは難しいところ。ただ、通貨というのは、軍事力・経済力・政治力などを合わせた国力の反映ですから、この円高は長期でみればミスプライスと言えるものだと考えています。

本日の取引:なし
持ち越し:2社 買い8100株 売り500株



2011年8月1日 日経平均株価9,965.01(+131.98)
米国株は、4-6月期のGDPの下振れや債務引き上げ問題から、ダウ・ナスダックとも続落で戻ってくる。

米債務問題は、双方が譲らず本当に危険なところまでチキンレースをやってくれましたが、昨晩から本日にかけ、なんとか合意に達しました。これでデフォルトという最悪の事態は回避される見通しとなった。ただ、日本のように党議拘束はないので、これだけ揉めると議会採決が終わるまでは安心は出来ません。無事通過しても、格下げ懸念は払しょくされず、今後はマクロの減速に加え、歳出の削減が米経済に与える影響に視点が移ってくる。

東京市場は、米債務問題の与野党合意を好感し大幅反発となったが、前場で買い戻しが一巡してしまうと後場は伸び悩んだ。ドル円の戻りも悪く、この辺は財政がダメならまた金融緩和とバーナンキのQE3を織り込み始めているのか? ただ、共和党はQE3には強く反対していますから、簡単にはできないでしょうね。

本日の取引:1社 1勝 +10,500円
持ち越し:2社 買い8100株 売り500株




2011年7月29日 日経平均株価9,833.03(-68.32)
米国株は、ダウは5日続落、ナスダックは小幅に反発。週間の新規失業保険申請件数が予想よりも少なかったことを受け、ダウは一時82ドル上昇する場面もあったが、債務問題をめぐる与野党の対立が重しとなった。

東京市場は続落。円高とNYダウの下落を受け軟調なスタートとなったが、前場は底堅い動きもみられた。しかし、11時半頃に米共和党が今晩予定されていた採決を再び延期すると発表し、円高・株先売りの流れとなる。後場は週末と決算集中日ということもあり、様子見ムードが強く、そのまま軟調地合いを引きずり大引けとなった。

FXは8月1日から取引規制強化で、レバレッジが50倍から今後は25倍までに制限されます。個人の取引量減少と強制ロスカットを狙ったファンドの売り仕掛けを警戒する声も聞こえてきます。週明けまでに米債務問題が決まらないと、来週も為替動向に対して神経質にならざるを得ないところ。

しかし、今月も変な相場だったなぁ

本日の取引:2社 3勝1敗 +4,500円
持ち越し:3社 買い8600株 売り500株



2011年7月28日 日経平均株価9,901.35(-145.84)
米国株は、期限切れが迫るが進展のない債務問題とマクロ指標の鈍化が嫌気され大幅に4日続落。

米国株安を受け、日経平均はCMEの清算値にギャップダウンでサヤ寄せする始まり。こうなると日銀のETF買いが期待されるところだが、前場のTOPIXは1%以上下がっていなかったので、現時点では分かりませんが、発動されなかったようですね。日銀も毎回同じオペレーションをやるので、お見通しと云う感じになっており、今日などはわざと前場は1%未満の下げに留め、後場に先物で売り仕掛けをやったように思えます。考えすぎですかね?

日経平均は大幅続落となり、200日線を僅かに割り込んだものの、7月13日~7月19日の安値レベルでは下げ渋っている。米国のデットシーリングは、ここまでチキンレースを続けるとはちょっと想定外でした。米国の株式市場が催促相場で昨日のようにドンドン下げれば、どちらの政党に対しても国民の批判が高まりますし、合意しやすくなるんじゃないでしょうか。ただ、これとは別に昨日発表された、米国の耐久財受注の減少と予想外の在庫増は注意して見ておく必要があると思います。

本日の取引:買いのみ
持ち越し:3社 買い8500株 売り1000株



2011年7月27日 日経平均株価10,047.19(-50.53)
米国株は続落。世界景気に敏感な化学大手スリーエムが先行きに慎重な見方を示したことで世界景気が減速しているとの懸念が浮上。債務問題も引き続き重しとなった。

東京市場は反落。基本的に昨日と同じで、ドル円が77円台と円高が進行している割りには、日経平均は底堅かった。ただ、今日は東証1部の値下がり銘柄が1,200を超えていますから、50円安という感じではありません。相変わらず値幅は出ませんが、7月に日経平均がザラ場に100円以上動いた日は僅か2日ですから、もうこれが普通と言った感じ。

米国の債務削減案に関する下院採決が27日から28日に延期されたことで、安心してドルが売れる状況になっている。日本もここで介入しても焼け石に水ですから、やるとしたら合意され、いったんドルが買い戻される瞬間にショートスクイーズ気味に介入すると云うのが、一番効率がいいでしょう。それにしても、数年前まではドル円で1円円高になると日経平均は最低200円は下げたものですが、随分円高抵抗力が付いたものです。今は米国よりアジアで稼ぐ時代ですし、産業構造も変わってしまったとも言えますが。

本日の取引:なし
持ち越し:1社 買い8000株 売り1000株



2011年7月26日 日経平均株価10,097.72(+47.71)
米国株は債務問題が重しとなり、ダウ・ナスダックとも下落で戻ってくる。

東京市場は、オバマ大統領の演説を10時に控え様子見ムードの強い中での始まりとなった。その演説が始まると債務引き上げ協議に新たな進展がないことが判明し、ドル円は一気に77円台まで急伸。ただ、株の方は先物も現物も殆ど反応がなく、その後は買い戻しが優勢になり、日経平均は上げ幅を拡大した。まあ、為替離れが進んでいるとは言え、トヨタとかまで上げている状況には違和感を感じますが、不思議に纏まった売りが出てきません。

本日の取引:1社 2勝 +9,200円
持ち越し:1社 買い8000株 売り1000株



2011年7月25日 日経平均株価10,050.01(-82.10)
米国株は、ダウは反落、ナスダックは続伸で戻ってくる。

日経平均は反落。米国のデットシーリング問題は、週末も与野党のチキンレースが続き進展はなし。東京市場は、米国のチキンレースが円高圧力となり、株式市場は上値の重い展開となった。グローベックスは大幅安で推移していたが、それでも先回り的な売りも少なく、あくまで様子見と云った感じ。東証1部の売買代金は1兆円を大きく下回り、その少ない売買代金の約10%が東京電力の商いですから、実体は超が付く薄商いと言える。為替も介入はないだろうと言われながら、可能性も捨てきれないことから、78円ミドルで膠着感を強めた。

デット・シーリングは最終的には合意されるんでしょうが、ただここまでこじれると、合意に至っても内容的にはその場しのぎの薄いものになるでしょうから、米国債の格下げは避けられないかも知れません。

本日の取引:1社 1勝 +4,200円
持ち越し:1社 買い8000株 売り1000株



2011年7月22日 日経平均株価10,132.11(+121.72)
米国株は、ギリシャへの第2次支援合意や、フィラデルフィア連銀景況指数の上振れを受け
大幅反発で戻ってくる。それと、なんだかんだ言っても米国株は主要企業の決算が好調なのが大きい。

日経平均は、CMEの清算値にサヤ寄せして始まり、その後はモタモタしていたが、後場はアジア株高も支えに買い戻しが優勢になり、高値圏での大引けとなった。来週末から始まる国内企業決算に対する期待感が高まっている。上方修正を先食いしてきている面もあるが、ショートも溜まってきているので、ボラがもう少し高くなることを期待したい。

ギリシャに関しては、格付け会社はあれだけ言っていたんですから、当然デフォルト認定をするんでしょうね。これでしなかったら、民主党のマニフェストと同じです。

本日の取引:1社 1勝 +10,000円
持ち越し:1社 買い8000株 売り1000株



2011年7月21日 日経平均株価10,010.39(+4.49)
米国株は、前日に急騰した反動から、ダウ・ナスダックとも小幅安で戻ってくる。

東京市場は。米国株が小動きだったことに加え、EU首脳会議(サミット)を控え様子見ムードが強い1日だった。後場に瞬間的な円売りが出たことで、先物が僅かに反応する場面もあったが、それも限定的な動きであった。

メルケル独首相とサルコジ仏大統領がギリシャ救済策に関し合意したとの情報が出ていたが、詳細が明らかになるまでは、為替も株式市場も手が出せずと云ったところ。もっとも米国のデッドシーリング問題と違い、欧州の債務問題はギリシャだけに留まらない話ですから、ギリシャをクリアーしても直ぐに別の問題が発生するんでしょう。かといって国を相手にいつまでも攻めきれるものでもないので、昨年のように市場が飽きるまで続く・・・ 欧州のソブリン問題に関しては、それしか言いようがありません。

本日の取引:なし
持ち越し:1社 買い8000株 売り1000株