ノーベル経済学賞は主婦に与えよ

今週の独り言




現在・過去・未来 2003年11月8日

♪現在・過去・未来~ 昔こんな歌があったような・・・

朝刊の折込広告に球根1個1,000万円で売ります。こんな広告があれば正常な人なら誰もがアホかと言うだろう。しかし隣の町でその球根が1,200万円で取引されているのを知ったら、賢い貴方はこれは安い! 1,000万円で買って直ぐに1,200万円で転売し差益を抜こうと考えるはずです。

実はこれ1633年頃から始まったオランダのチューリップ相場のことなのですが、現代におき変えてもなんの違和感もありませんよね。我々が物に値段をつける基準というのは考えてみれば実に曖昧でいい加減なものです。価格というのは常に相対的に決まるものであり、価値の絶対的基準など無いのです。イワシの頭が1億円してもそれを1億1千万円で買う人がいれば、1億円のイワシの頭に買いが殺到する訳です。チューリップ相場は1637年に一人の業者が買取を拒否したことから、パニックが広がり崩壊するのですが、そのプロセスは株が天井をつけ急落する時と全く同じではないでしょうか。

科学技術は進歩しても人間の心理や欲は360年前から不変です。おそらく後300年たってもバブルは発生、崩壊を繰り返しているのでしょう。こう考えると人間は馬鹿じゃないかと思うが、同時にちょっとホットしたりもする。



創業何年? 2003年10月25日

時代が変われば価値観も変わる。企業の寿命も昔より遥かに短命になってきているのは既に周知の事実です。これから先を考えればこの傾向は益々加速されて行くんじゃないかな。創業何十年なんて自慢するのは何の意味もありませんし、逆に危険なことです。今儲かる事業に経営資源を集中して儲からなくなればスッパリと手を引く、これがこれからの企業の理想形だと私は思います。儲からなくなったビジネスモデルを損切り出来ない企業は例え大手であろうと存続は難しくなるでしょう。

株も長く持つほど良いという概念は既に陳腐化した理論だと思います。日本が高度経済成長を続けている時代ならいざ知らず、既存の大企業に長期投資するメリットはあまり無くなったと思います。いずれにせよ企業経営も投資(投機)も時代に合わせて変化して行かなければ、負け組みになるのは必然でしょう。

あと最近思っているのですが、投資と投機の区別がつかない人が多いですね。俺は長期投資だと言ってる人でも、せいぜい半年ぐらいのスパンで考えています。私に言わせればこれは投資ではなく投機の範疇です。本当の長期投資と言うのはセブンイレブンを上場の日に買って、今日まで持っている人です。確か200万が4億円ぐらいになっているんじゃないかな?



ノーベル経済学賞は主婦に与えよ 2003年10月11日

アルフレッド・ノーベルの遺書には国籍を問わず人類に最も貢献した人々に贈る賞の設立が書かれていました。これが現在のノーベル賞です。賞は6分野からなり物理学、化学、生理学・医学、文学、平和(以上1901年から)、経済(1969年から)。経済学賞は後から付け足した賞です。

実はこの経済学賞は受賞者にアメリカ人がやたらに多いのです。過去34年で36人ものアメリカ人が受賞してます。国籍を問わずといいながら、なんか胡散臭いですね。アメリカの為に作った賞のように感じるのは私だけでしょうか。今年の受賞理由など調べて貰えば分かると思いますが、一言でいえば単なる経済予測です。研究そのものにケチをつける気はありませんが、これが人類に貢献しているとは私には思えませんね。それに理論事態も怪しいものです。ロシア危機で破綻したLTCMには2人のノーベル経済賞学者がいましたが、所詮リスクをコントロールすることなど出来ませんでした。なにおかいわんやです。

アルフレッド・ノーベルの遺族が数年前、経済学賞はノーベルの意思に反すると訴えを起こしていましたが、私も全く同感です。経済学賞は人類の役には立たないでしょう。どうしてもと言うのなら苦しい家計をうまくやりくりしている主婦にノーベル経済学賞をあげた方が良いのでは?



人間に半年先を正確に見通すことができる能力など有るはずがありません 2003年10月4日

私は投資顧問ではないのでHPで買いや売りを推奨することはなるべく避けてきました。今週マーケットトークで買いを勧めるようなことを書きましたが、これはあくまでチャートと今のモメンタムからの発言であり、景気がよくなり日本経済が復活するなどと言うことではありません。むしろ私はマクロ経済についてはドイツ証券の武者さんの考えに近いくらい悲観的に考えています。ではなんで買っているかと言われれば、トレンドがまだ上だからと言う理由意外ありません。ある意味マネーゲームのような感覚です。

よく初心者向けの株式関係の本に、株価は半年ぐらい先の経済状態を織り込んで動いていると解説されています。しかし、これは間違いとまでは言いませんが正しくはありませんね。あくまで相場は人間が動かしているのであり、人間に半年先を正確に見通すことができる能力など有るはずがありません。

人間とは未来を自分に都合よく考えてしまうものです。今週急騰している某セクターの株などは私に言わせれば既にミニバブルですね。都心の一部を除き土地はまだ下がり続けていますし、デフレが終息した訳でもありません。来期の業績ぐらいまでを織り込みに行くならそれはバブルとは言いませんが、2年後、3年後を自分たちに都合の良いように織り込みにいくならそれはバブルです。最近ではITバブルが良い教訓ではないでしうか。株価の構成要素は勿論これだけではありませんが、少し気になったので書いてみました。