会計疑惑と投資家の自己責任・アメリカ経済は砂上の楼閣だったのか?

今週の独り言



会計疑惑と投資家の自己責任 2002年7月6日

米通信大手ワールドコムを代表するように、米国、欧州で企業への不信が広がっています。本日の日本経済新聞のコラム「大機・小機」で、ハイリスク・ハイリターンの株式投資なのだから企業の会計がインチキであってもそれは投資家の自己責任である・・と言う内容が書いてあった。そこまで何で投資家の自己責任なんだと最初は憤りを感じましたが、冷静に考えると米国企業の殆どが、損益計算書や貸借対照表の数字をいじっている事実があるし(米国に限ったことではないが)現在のルールのもとで会計操作を完全に無くすことは無理である以上、ある程度は仕方ないことなのかな?そしてこの人が言ってるように完全に透明性を持った資本市場など存在しないと言うのはもっともだと思うが、そのことを全て肯定してしまったら、株式市場は一般参加者は絶対勝てないヤクザの賭場のようになってしまうでしょう。

企業のディスクロージャーの信憑性が失われることが、どれほど市場経済の根底を揺さぶることになるのか、このコラムの作者は理解しているのかな?おそらく、自分では投資などしたこの無い人なのでしょうね。会計疑惑は決して一過性のものではなく、繰り返し問題になるでしょう。そしてその度に投資家の自己責任で片付けられたら、たまりませんね。



アメリカ経済は砂上の楼閣だったのか? 2002年6月29日

1990年代、我が世の春を謳歌したアメリカ経済も変調をきたして来た。この宴は巷で言われているようにITだけによるものではない。強いアメリカ・強いドル政策を取ることで、海外から巨額の資金を引き寄せ、それを中南米やアジアに再投資する仕組をつくり上げることにより、高成長を維持してきたのだ。しかしご存知のように、ITバブルは崩壊し最近の企業による相次ぐ会計疑惑などにより、世界におけるアメリカの地位も、もはや風前の灯火だ。

今週、ブッシュが事実上の「ドル安容認」発言をしたことは非常に重要だと思います。まあ中間選挙を前にブッシュの支持母体である重厚長大産業への配慮もあるとは思いますが、アメリカは非常に危険な賭けに出たのではないでしょうか、彼らはドル安・円高にすることは問題ないはずです。いつまでたっても景気回復出来ない日本に配慮し、ドル高に無理にしとくのは産業界からも強い不満が出てきてますから、いざとなれば日本を切ることも吝かではないでしょう。しかしユーロをはじめ他の通貨に対してドルの独歩安になるのはもっとも警戒していた事です。ドルの信認が無くなればそれはアメリカのみならず、世界経済の崩壊に直結する問題です。

それにしても、先のサミットの緊張感の無さは呆れるばかりです。ブッシュは小泉に匹敵する程の経済音痴ではないのかと思いました。こんな状況になっても彼は戦争のことしか頭に無いようですね。市場の空気が読めると言うのは頭が良いとか、悪いとかではなく感受性の問題ではないでしょうか。苦労したことの無い人間は感受性が非常に鈍い。これは世界共通ですね。先の財務長官ルービンは市場の空気を読めると言うことでは天才的でしたね。ブッシュ政権はクリントンの時とは違い、政権の中枢部には金融関係者を殆ど起用していない、このことがちょっと心配です。経済に限りませんが危機が起こってからそれに対応するとなれば、莫大な金と時間が必要になります。ちょっとした風邪を放置したために、肺炎になって入院すれば完治するまでの治療費は何百倍にもなってしまいますよね。この感覚はいくら言っても分からない人には分からないのですが・・

日本が注意しなければならないのは、彼らはもうダメとなったら日本みたいに小手先で対応するのではなく、枠組みそのものから変えてしまうでしょう。その時、日本がどのような対応を準備しているかが重要です。



リーダーの決め方 2002年6月22日

昔、何の本だったか忘れましたが、面白いことが書いてありました。旧ドイツ軍の司令官クラスの人間を決めるときの人事考課みたいなものだったと思います。

以下の4人がいたとします。
 ①能力もやる気もある人。
 ②能力は無いがやる気だけはある人。
 ③能力は有るがやる気の無い人。
 ④能力もやる気も無い人。
さて、あなたならどの人を選びますか?

そのマニュアルにより良い方から並べると③→①→④→②だそうです。

なにしろ記憶が薄れていて、以下の解説は自分の独断と偏見が入っていますがお許し下さい。③の人間が一番良いと言うのはうなずけます。リーダーはここ一番の重要な時に判断を下すことが出来ればいいのであって、普段はぐうたらの方が部下も働くし組織の和も保たれるのでしょう。①はいわゆる切れ者というか、完璧人間すぎて部下が萎縮してしまうので、2番手なのでしょう。④の方が②より上というのはちょっと変ですが、よく考えれば、よけいな事はしないし、回りが危機感を持ち盛り立てるので、案外旨く行くのかも知れません。
②の人間を組織のトップにするとその組織は崩壊に向かいます。そのような人間に権力を持たせますと、間違った方向に暴走する危険があるし、本当に切れる部下は呆れて離れて行き、残るのは自分と似たような人間か無気力な人間です。現在の我が国の首相は残念ながら②タイプですね。小渕さんは④タイプだったので意外と良かったのかも知れません。ちょっと言いすぎかな? ゴメンネ小渕さん。




経済活性化?大増税改革の検証 2002年6月15日

昨日、政府税制調査会は小泉首相に基本方針の答申を行った。一言で言えば大増税リストである。簡単に纏めると、配偶者特別控除は廃止・個人の所得税の引き下げなどは絶対しない・所得税の課税最低限は引き下げる(現状=夫婦子二人サラリーマン384万)今まで払っていなかった人も払え・でも高額所得者の累進税率の緩和は必要性を感じない・消費税は近い将来必ず上げる・酒・タバコ税も上げる方向で考えている・
兎に角上げられるものは全て上げる。赤字企業も税金を払え(外形標準課税は早期に導入)・でも法人税率の引き下げは不適当である。などなど書いていて気分が悪くなってきました。

これが小泉首相の言う経済を活性化する税制改革だそうです。私はブラックジョークなのかと思った。昔なら確実に一揆が起こるでしょう。仮にこれが全部実施されれば10兆円を遥かに超える大増税になると日経も試算してます。そもそも学者が机上の計算でだけで、税制や経済を論じるなど私に言わせればナンセンスも甚だしい。経済は生き物であるし、税制は国の活力を生む為の非常に重要な政策のはず。それがこんな小学生の足し算ではあるまいに、財政赤字を埋める為なら何でも増税的な幼稚な発想しか出来ない連中は早く辞めて貰いたいものである。

これを書いていて、ふと思ったのだが何故、日本人はこんなに怒らないのであろうか?危機感を持っているのは実際マーケットに参加している人達ぐらいであろう、国が株を個人にあまり推奨しない(私にはそう思える)のは経済に関心をもち知識を付けた人が増えれば自分達の政策がやりずらくなるからではないのか?実際、私の周りの人をみても株が下がっても、俺は持ってないから関係ないよと言う人達が多い、まあ国の洗脳によるものだから彼らに責任はないのであるが、なんとも悲しいことである。現在、東証の時価総額が減るということは、そのまま金融不安につながるリスクが高いのである。よく銀行なんか潰しちゃえなどと言う馬鹿がいるが、金融の心臓部である銀行が不安定になれば、全企業に波及し最終的に全国民に(不況・失業・自殺)関係してくる話なのである。我々はもっと怒らなければいけないし、またもっと知識もつけなればいけない。



国家の衰退(証券税制改悪は愚の骨頂) 2002年6月8日

金曜日の日本経済新聞である記事が目に留まった。個人投資家が5月まで4ヶ月連続で株を売り越してるという。税制変更を嫌う個人の心理が一因にあるそうだ。ご存知のように来年から源泉分離は廃止になり、申告に一本化される。その愚かさをもう一度考えて見たい。

税収額で見ると源泉・申告合せて確か現在4000億位だったと思うが、これがどれだけ増えるというのか? 逆に減るんじゃないかとも思える。結果、株価が下がり東証の時価総額が何十兆円も吹っ飛ぶ事は全然頭に入っていないようだ。確かに現在の源泉分離はみなし課税と言うちょっと特殊な税制である事は間違いないが、このタイミングで強引にやる理由はまったくないのである。政府・投資家どちらにとってもメリットは無くデメリットばかりだと思う。穿った見方をすれば、現在東証の売買の50%以上は外資によるもであり、個人などは株を止めなさいと言う事なのだろうか? 外資の資金は入って来る時も早いが逃げていく時も早い、その時個人投資家を殺してしまっていれば、誰がリスクを取ってくれるのか?資本主義国家で在りながら、社会主義思想から抜け出せない国、リスクを取る人に冷たい国、このままではこの国は衰退する。



国債の格付け 2002年6月1日

今回のムーディーズの格下げは、マーケットには何も影響しなかったが、いろんなことを考えさせられた。昨日も書いたが、格付けが下がっても通貨がリンクしないどころか逆に日銀が円売り介入をしているのである。そして新発十年物国債利回りも、比較的安定していたと言う事は矛盾です。そして矛盾していると言う事は、少なくともどちらか一方が間違っているのです。マーケットが間違っているのかムーディーズが間違っているのか、私は後者だと思います。そもそも格付け会社がいい加減で、韓国も97年一気に6段階下げられ、その後はまた一年たらずで数回も格上げされる始末です。

ここからは、私の勝手な想像ですので、あまり本気で読まないで下さい。私は、これはムーディーズとアングロサクソンの陰謀ではないかと思います。格下げ→国債暴落→長期金利上昇→金融不安→株売り→銀行破綻→外資が安く買っていく→暫くして格上げ→ボロ儲け。と言う筋書きです。実際、韓国は立ち直ったと言っても外国資本に大部分握られてしまいました。皆さんはどう考えますか?



税制改革 2002年5月25日

政府税制調査会は24日の総会で基本方針の骨格を決めたみたいだ。高齢化に伴うこれからの社会保障負担などを考慮し、将来の消費税率の上げは避けられないと明記したとある。また所得税率の下げには否定的だそうだ。また先般の増税リストと大差ない結果だ。

私は政府税制調査会の言ってることも分かるが、こんな時期にこんなことを平気で言う神経が理解できない。石会長はまさに、合成の誤謬に陥ってるとしか思えない。ミクロでいくら正論を積み重ねても、マクロでは逆の結果になってしまう(まさにそうなっているが)また政府税制調査会のメンバーは高齢すぎる、税金を貰う立場の人達だけで構成されてるメンバーは、どう考えても歪だ。もっと若い人を登用出来ないものなのか?歴史的に見ても高税をかける国は衰退していく、そんな国からは優秀な企業も人材も海外に流失してしまうからだ。

景気というのはどの経済学者も言ってるように半分は、人の気持ちで決まる。ところが目先の正論ばかりに囚われ、国民の気持ちを冷やすことばかり行っている。巨額の国債償還はいずれ来る。しかし、暫く眼をつぶっても良いのではないかと思う。マスコミも面白がって煽るのは止めてほしい、合成の誤謬から抜け出すために政府税制調査会は考えを改めるべきだ。