ニュートリノと市場/自覚の無い税調・無駄だらけな国

今週の独り言


ニュートリノと市場 2002年12月7日

今年、日本からノーベル賞、受賞者が二人も誕生しました。日々、暗いニュースが大勢を占めるなか、本当に喜ばしい話でした。また田中耕一さんは、その人柄からその後の人気も凄いですね。

さて、私は自分の興味から言えば、小柴さんの研究に一票です。ニュートリノのなにがそんなに凄いのか? と思われる方もいると思いますので簡単に説明します。

ニュートリノとは、電気的に中性(電荷ゼロ)で、重さ(質量)がほとんどゼロの粒子のことです。そして、物質との相互作用はきわめて弱く、地球を貫通してしまうので、テレビで話題になったスーパーカミオカンデと呼ばれる巨大な水槽を地下1000メートルに設置して観測しているのです。

そして、小柴さんたちの研究で、ニュートリノに重さ(質量)があることが、ほぼ確実となってきたのです。これのどこが凄いかというと、この実験により宇宙はニュートリノという質量が大量に充満している可能性が高くなったからです。簡単に言うと、たらいの中の水をかき回し渦を作り、そこにピンポン玉をいれると水に対して球はなんら運動していないのに、そのピンポン玉は同じ水流にしたがい渦を描きます。ここでニュートリノを水(水流)だと考えて下さい。見えない質量(たらいの水)を無視して考えられている現代物理学の根底が揺らいでくるのです。

見えない質量がある。これにより銀河の回転など質量が足りなく謎だったものが、今後、ニュートリノが関係してくるのかもしれませんね。そして、この研究が進めば、数十年後には物理学の記述が大幅に覆る可能性もあるのです。

所詮、人間なんて、なんでも分かったような顔して生きていますが、そんなに賢くはないのでしょう。また私たちに知覚できない多くの存在を認める謙虚さも必要だと思います。蛙は動くものしか見えないと言います。人間は幸い動くものも見えますが全宇宙から見れば、知覚できるのは、ほんの僅かなものだけなのでしょう。実は蛙と大差ない存在なのかも知れませんね。

ひょっとすると株式市場にも、私たちの知らないニュートリノみたいなものが、あるのかな?




残り一ヶ月 2002年11月30日

相場をやっていると、時間の経つのが早いですね。今年も残すところあと一ヶ月、12月はどの様な展開をみせてくれるのでしょうか。

10・11月は実にいろいろな懸念材料が、これでもかと言うほど出てきました。マーケットが一番嫌がるのは懸念材料です。実際に悪材料もそれが現実となってしまえば、もうそれを材料に売り込めなくなるので、相場は反転するもんです。しかし、ここ数ヶ月は先行きに対する懸念材料ばかりが、クローズアップされマーケットは、まさに最悪の時期でした。イラク攻撃・銀行国有化・証券税制などは、どういう形にせよ、もう型がついてくるでしょう。来年は案外期待できるのかも知れませんね。

最近、気が付いたのですが、どうも私は未来を予測するのが好きな人間みたいです。昔は競馬の予想に熱中していました。馬が好きなのではなく、競馬で大金を得ようとしていた訳でもありません。自分がレース展開や騎手の駆引き・調教過程などからいろいろ分析して、レースがその通りの結果になったときは、馬券が当たったことより嬉しかった。

経済変動や企業業績を予測する株取引は、私には趣味と実益を兼ねた最高の場所なのです。いま私が一番関心があるのが、経済物理学です。興味の有ることはなんでも、のめり込んでしまう私は、東大名誉教授にカオス理論が相場に有効ですかなどと、莫迦なメールを出してしまいました。そうしたら、なんとご丁寧に返信していただき、有効性は認めるがよく分からないとのことでした。まあもっともなことです。反省してます。



自覚の無い税調・無駄だらけな国 2002年11月23日

自民党税制調査会の山中貞則最高顧問が山崎氏に「老害」扱いされたことで激怒したとか・・・ 氏の言い分は、今まで党に迷惑をかけたことはないと言ったとか、まったく呆れて物も言えません。なるほど確かに党に迷惑はかけていないかも知れないが、国益・国民に対し、どれほど迷惑をかけているのか考えたことがあるんですかね?

税制というのは国の活力を左右する非常に大切なものと、私は認識しています。古代ローマ時代からの歴史を見ても、税制しだいで国が繁栄したり衰退したりするのです。それほど力があるのが税なのです。衰退した国に共通するのは、税を厳しくした国です。そんな国からは、優秀な人も企業も逃げ出してしまうからでしょう。
【官が栄えれば必ず民が滅ぶ】これは有史以来、普遍の法則です。山中氏がどれほどの実力者か知りませんが、日本をここまで落ち込ませたA級戦犯であることには間違い有りません。

昨日WBSで榊原氏(個人的には嫌いだが)がとても良いことを言っていました。無駄な高速道路を作るなら、現在の高速道路料金を無料にした方が、余程経済効果があると言っていました。私もまったくその通りだと思います。もし無料にすれば、既存企業の物流費も大幅に圧縮できますし、休日になれば旅行・観光などで日本中が活性化するでしょう。しかも、金は新しく道路を作るより安上がりですむ。まさに一石二鳥です。しかし
自民党はやらないんですよね。地元の建設会社に金を落とし、自分たちが当選することしか考えてないからです。

証券税制も同じことです。たかが4000億を取る為に逆に、なん百兆も失っているこの愚かしさは、言葉や文章で言い表すことができません。国民はこれ以上の無駄や愚策を許してはいけない!